2005/2/19
6
(断片的すぎ)
ファミレスにて僕は湯豆腐を頼む。Fさんはハンバーグなど。
「ところでメールでも聞きましたが、僕に合う女性ってどんな人なんでしょう?メールでは言えないくらいの情報量みたいですが。友達と電話で会議を開いたら2時間話し合った末、やさしい人っていう実に頭の悪い結論に至りましたよ。マイッタマイッタ」
「そこへ至る経過を述べよ」
「えーと、最初は僕の考え、話すことが分かりにくいってことで、言語能力の発達した人ってことになったんですけど、「それだけじゃないだろ、笑いも分かる人じゃないと」っていいました。別の観点からは、「引っ張ってくれる人がいいか、頼ってくる人がいいのか」、という選択もありました。友人が「オサムさんを引っ張って行くってどういう人だや」みたいなことを言って、「そうだよね、ただ高圧的になんか言われるとたぶん、僕切れるか泣くかするだろうな」って思って、「じゃあ頼ってくれる人か」「それは面倒」「つまり対等な関係なわけな」というとこに落ち着く。「やっぱね、僕って理解しがたいことするわけじゃん、それを認めてくれる人がいいな」「全部分かって認めるのは無理じゃない」「だね。説明するのもとっても労力がいるし。そういったことを特に考えられない、やさしい人がいいのかもね」「それじゃあ結論として「やさしい人」が選ばれました、ぱちぱちぱち」みたいな感じでしょうか?」
「ZZZ。あ、寝てました。でね、私が思うのはお互いに認め合えるって言うのが、大事マンブラザーズだと思うんです」
「認め合える、ね。なるほど、深いね。心得ました」
「竹仲絵里の話ばっかりで恐縮ですが、新曲の題名に使われている「ありがとう」って言葉ってすごくいいと思うんです。「ありがとう」って言葉に乗せられた感情がキレイだからなのか、単純に言葉の響きがキレイなのか、日本語で一番キレイな言葉だと思うんです。今までは感謝の気持ちがあまり起きなかったり、なんか恥ずかしくって使えませんでしたけど、これからはどんどん使っていきたいなって思ってます。以前送らせていただいた、
くだらない
僕の話に
いつだって
笑ってくれて
ただありがとう
って短歌どう?」
「和みましたよ、本当に。藤原さんらしいなあーーって」
「和まれましたか、それはなによりです。短歌ってねえ、のきなみ人気がないんですよ。それがせつなくってね。ちなみにこの歌物語ってどう思われました?」
携帯を見てもらいながら感想を聞く。
「そうですね。なんかいいのがありましたよ。全体的に韻を踏んでいて、いいなって思うのもありました」
「うれしいこといってくださいますねぇ〜、おごるわ」
「いえいえいいですよ。後が恐いですから」
「まあね。結構語感を考えてたりするんですよ。でもあまり効果を成したりしてないかなと心配でした。あと、僕一押しの
「晴れの日に
なると思ってた?」
「うん、なぜか」
「わたしもそう」と
木漏れ日の中
はいかがでしょうか?」
「これはなんか映像が浮かんできますね」
「ほうほう、なるほど」
「ゆったりした感じもします。単純なのがいいのかもしれないですね」
「そっかぁ〜、いい評価を聞いてちょっと立ち直りました。ちなみに僕木漏れ日が好きなんです。ルノワールの絵で木漏れ日が描かれた絵がいくつかありますが、好きですね」
「へぇ〜。けど、藤原さんにはルノワールって単語は似合いませんね」
「へっ!?じゃあどういう単語が似合うんでっしゃろ?」
「なんていうか、蓄膿症とか?」
「…、ごほん。ところでFさんは人の良い面を見るのがとても上手いなと思います」
「なんでですか?」
「だって僕の数少ない良い所を見つけてほめてくれたじゃないですか。それで僕はとってもうれしくって、あっ、今ちょっとぼく泣きそうになった、運が良かったなって思い、忘れていたわけではないけど、緩みかけていた夢に向かうテンションが戻ってきたんで、ただ「ありがとう」って気持ちを伝えたいです。今やっていることが間違いじゃないって思えてきたというか、このままで良いんだなって。なんつうかね、昔は僕って自分を今より相当猛烈にキライだったと思うんです。普通の人なら良いところって思えるところも嫌でしたし」
「たとえばどんなとこですか?」
「そうねぇ、何様!?って思われるかもしれませんし、普段といっとることが矛盾しとる、とか言われそうですが、頭がいいところ、でしょうか」
「えっ、良かったんですか?びっくり!びっくり!!」
「あ、そこは突っ込まれずに、かる〜く流して欲しいんですけど」
「うい」
「昔は頭が良いからこそいろいろな下らない事を考えてしまうんじゃないかって思ってたんです。頭悪いくせに感違って悩んでいたんですね。でも、今はそこもうっすらとですが、素直に認めることができつつあります。自分でいいんだって。で、欠点ってあるじゃない」
「藤原さんは多そうですけど(笑)」
「たぶん普通の人より多いだろうね。欠点っていいものだと今は思えます」
「こっちはこんなに迷惑しているのに?」
「迷惑させているのは謝りますが、欠点があるっていうのは、まだ自分が成長していく余地があるってことで、良かったなって思うんです」