下
2.湯原温泉
湯の蔵つるや
1000円
神庭の滝を出て湯原温泉へ向かうと、あと少しの所で通行止めになった。迂回路があるだろうと思って、通行止めの看板を無視しつつ来たのだけれど、どうやら40キロぐるっとまわらないと着くことができないみたい。
で、到着。行った先は湯の蔵つるや。ちなみに今月末あたりに家族旅行で行く旅館の名前もつるやだったりする。旅館らしく、大浴場まで案内してもらえる。昼間なので当然人は一人もいなく、貸切状態に。結構いい感じではあったけれど、この前に行った湯厨や藤兵衛よりはいくらか落ちると感じました。贅沢言ってすみません。
3.三朝温泉
みささグリーンホテル 500円
そう、「グリーン」ホテルです。だからぁ〜、こんなことにこだわっていていいのかッ、と思われますが、過去のことなので目をつぶってください。温泉博士に載っていたので行ったんですって。
温泉博士によると「温泉はラジウム90%」と出ている。どういう意味なのかは結局ホテルの人に聞くのを忘れた。なんか建物の中が暗かったんで、そういうことも聞きにくかったのです。
で、温泉博士での説明は
「ここは味で勝負する」
と社長が言っている、らしいが、明らかに温泉雑誌に載せる文ではない。風呂の説明はほぼない。マイッタ、マイッタ。
しかし、温泉に実際に浸かってみると、意外なほどよさそうだった。浴槽に注ぎ込んでいるお湯を手で掬おうとするとものすごく熱くやけどをしてしまった。この湯は源泉そのままのようだった。しばらく入っていると熱さからではない、普通と違う汗が出てきた。これが90%の力なのだなと思った。三朝温泉もなかなかやるなあと実感したしだい。
4.関金温泉
関の湯 200円
ここは以前から気になっていたところで、狭くて古い共同浴場なのです。前回関金温泉に来たときはいまいち場所がわからなくてパスしたけれど、今回はここだけが目的だったのでしつこく探し、見つけた。近くにある真言宗の寺をなでる程度に見て回ってから施設に突入。番台のおじさんに200円を出すと、
「はじめてかい」
と聞かれ
「はい」
というと
「ここは温泉が飲めるけん飲んでみいや。コップはないけど、みんな、こう、手で受けてのんどるけん。放射能泉で体にいいから」
「はあ。
ところでここって源泉だけを使ってますか」
と聞くと
すぐ近くからひいているそうで、ここ関金温泉で源泉掛け流しのところはここと、隣の温清楼だけのようだ。
風呂場に入ると、千原温泉並みの浴室。シャワー無し蛇口確か無し、石鹸無し、というところ。隣の浴室も少し見えてしまうところも、浴槽が木でできているのも千原チックである。
湯船に浸かる。お湯の温度はぬるめで、長い間入っていられる。結構たくさん流れ込んでいる源泉を手で掬って飲んでみると、ほとんど癖のない味。せっかく来たのだからと3回くらい、
「ズズズッ」
と、手で掬って飲んだ。
上がってからおじさんに話しかけると結構な時間温泉についての話を聞くことになった。日経新聞の土曜のNIKKEIプラス1に連載されている、温泉博士の松田という人の書かれている日本百名湯をいたく買っているようだった。たしか歴史と源泉掛け流しを重んずるようで。
(確かに源泉だけを使っているのは大事だが、そこまで目くじらを立てることはないのではないかというのが最近の僕の見解。さらに歴史を重んじるのはいささか意味がないような気がする。800年前とかじゃないと名湯に入れないというのは良くわからない。ほんとに最近の、1000メートルも掘って出てきたものはいかがかと思うけど。)
この関の湯の周りの家の人は、昔、施設を建てるときにお金を出したことから30円で風呂に入ることができるそうだ。その人たちが使っている「株券」というものを、僕が遠くから来たからということで、記念としてもらった。以下のとおりのものです。
将来どっかの温泉の近くに引っ越そうかなあ。湯原温泉なら毎日ただで露天風呂に入れるし、いいよなあ。