3.珍道中

 いよいよ始まりました無謀旅行。まずはじめの運転は、負傷(けが)かつ不肖(愚か)、なおかつ不詳(よくわからん)、かつ不詳(縁起が悪い)の藤原修。かけていたCDはおそらく川本真琴がベースであったことでしょう。この時は大滝詠一も二枚しかもっていなかったし。
松江までは高速道路、国道を見向きもしないで、山道を通ってった。ちょうど大滝詠一の「1969年のドラッグレース」の

「♪地図の通りに行き(生き)たくなかった 

なるべく人のいない道を探した

カーブのたびに助手席の君は悲鳴をあげていたけど〜」

みたいな感じ、ではなく、よく知られた松江への近道なんだけど。

東出雲のあたりのローソンで飲み物を買い、ふたたび出発。

このあたりからしりとりをし始めてしまう。W氏が仕事の時に他の人とやっているみたいで、しりとりには自信ならびに一家言をもっているよう。W氏は執拗に「る」で終わる言葉で攻め、Hさんはごく普通(の言葉、「りんご」「ゴリラ」「ラッパ」あたりで返し、僕は「リットン、調査団(結局負け)」「割れ鍋に綴じ蓋」「川本真琴」など、いらないひねりを加えて答えていた。徹夜で運転するときにこういう頭を使うことをすると、疲れます。やめましょう。でも、まあ、しりとりをもししなかったらどれだけ長い間しゃべらない時間が続いたのか想像できなかったりしないでもない。


米子あたりまでは僕の川本ベースのCDをかけていたため、不穏な空気は僕以外人の心だけに流れていたが、W氏のCDをかけ始めてからはカラオケボックス状態(一人独唱会)になり、少なくとも僕の心の中は不穏になった。酒を飲んでいないのに歌を歌えるのはすばらしい。

2004年現在、僕も一人で車に乗っているときは熱唱してます。)

曲目は「さくら」やらミスチルの「ヒーローになりたい〜」という歌詞のあるやつ。歌の終わったあとにはちゃんとその歌に関する感想、聴いたときの状況、人生観などをしっかりと聞かせてもらえました。


んで、道を間違え、山陰道(米子道路)を爆走し、大山淀江まで行ったりしながら順調に(?)米子道に入り、蒜山で休憩、したかどうかはもはやさだかではない。

 んで、途中湯原温泉を通り過ぎる前に、(そういえばW氏は行く前に風呂に入りたいといってたなあ)ということを思い出して、ええ、他意はないですよ、「湯原温泉の露天風呂に入っていきませんか?24時間開放されていて、無料なんですよ。(混浴ですが)」と提案したら、行くって事に。

H
さんもふつうに「いいねえ」みたいな感じで同意されたことに少々の驚きを抱いた。びっくりしつつ湯原インターで降りる。高速料金1200円。温泉に入る前に駐車場で記念撮影をしてみる。

で、露天風呂にいってみるが、どうもHさんは混浴であることを正しく承知されていなかったようで(ちゃんと言ってないからわかるかっての→自分)、見学ということに。まあ当然かなあ。以前入った冬とは違い、三つある露天風呂の全ての湯が熱かった。で、あがって着替えてHさんのほうへ行くと男性にナンパされていた。いやはや、さすが岡山、の山の中だ。今思うとあの男性はN氏だったんじゃないかと思われる。
その後なぜか二人でやるストレッチ体操をし、さらに無駄な汗をかいてから車に戻る。

運転をW氏に交代し、走り出す。
高速道路に乗るまでに道を間違え、これまた順調に時間を消費する。

大体ここら辺までは記憶があるけど後はあまりなかったりするんだなあ。それではどうなることやら、後半へ続く(キートン山田《ちびまるこちゃんのナレーター》のマネをしながら読んでください)

後半へ素直に進む