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馬車馬のゴトクこき使いますが宜しくお願い致します。by アネ様

 

機関銃抜きでセーラー服を着ている37歳の2人の子持ちの女性が近づいてくる!目ぇ合わせんとこ。

偽姉さん「おさむちゃん、びっくりしたわぁ〜」

ぼ「なににびっくりされたんですか?こっちはそのカッコにびっくりしてますけど」

偽「失礼な!なににびっくりしたかって、そのもじゃもじゃのコート。白熊が来たかと思ったわ」

あ、偽彼女連れであることには驚かないんだ

ぼ「笑えるでしょ」

偽「まあそうだけど。あら、今日はスーツで決めとるね、デートだからかな。でもこの靴はなに?」

と言いながら、ぼくの足を目の高さあたりまで上げる。

「いやあ、あらわれましたか」

偽「おさむちゃん、靴買いに行こうね」

ぼ「みんなに言われるなぁ」

偽「だって、ねえ」

アネ「そうですね(苦笑)」

ぼ「だめですか。今日革靴だったらオッケーだったんでしょうね。東京行ったりばたばたしていましたから忘れちゃって」

偽「それはともかく普段履く靴も買わないとね」

などなど話しているとすぐ席から離れていかれる。忙しいみたいだし、さっさとでよっかなぁ?

アネ「あ、出られますか?いいですよ」

ぼ「でもなぁ〜、ドンペリ3/4残ってるし。ふた閉めようにも閉めれんし、飲んでいくしかなさそうじゃない」

「いいですって、みなさんに飲んでもらいましょう」

ぼ「まあアネ様がいいって言うなら出ちゃいますか」

出されたばかりのチーズをポケットに詰め込み、

ぼ「あ、帰りま〜す」

マ「ごめんねぇ〜、かまってあげられなくって。ドンペリどうするの?」

ぼ「みなさんで飲んで下さい」

マ「あらそう?はい、じゃあお会計こんな感じで」

ぼくが払おうとすると横からアネ様が

「いいですよ、私が払いますから」

「え、それはないんじゃないかなぁ〜」

「いいですって。はい」

「それじゃあ、ごちになります。あ、おじゃましました〜」

マ「おさむちゃん、また来てね〜」

「は〜い」

 

ぼ「なんとも太っ腹ですね」

アネ「たまにはこういうお金の使い方もいいんじゃない?」

ぼ「貧乏性のぼくにはとてもできない技です」

アネ「ところでもう一軒どっか行きません?かわいい子いるとこないですかねぇ」

「あ、この道まっすぐ行ったらそういうところは皆無です」

「詳しいですね」

「いや、あかりが薄いんで、そういう店はないんじゃないかなって」

「じゃあこっちだね。どうですか?入りたい店ありますか?」

「かわいい子ならアネ様で見慣れているんで、あんまり入りたいと思いませんね」

「じゃあ、ここのラーメン屋さん入りますか?」

「といいますか、ちょっと気持ちが悪いんで、どこにも寄りたくないんですが」

「はきそうですか?はいていいですよ。きっかけが欲しいのなら胃袋の方に一撃入れましょうか?」

「いや、大丈夫です。飲みなれないもの飲んだからかな。2万円のものなんて飲んだことないんで、胃がびっくりしたんじゃないですかね、炭酸だし」

 

苦しみながら車にたどり着く。

あ「私運転しましょうか?」

「へっ?なんで?」

「いや、なんとなく。駄目ならいいんですけど」

「あ、いいですよ」

アネ様の運転で出発。が、ちょっとこの車に似つかわしくないような運転をされていたので思わず

ぼ「あ、この車そんなにいい車じゃないんで」とかと運転に一言言ってしまう。

「運転変わりますか?」

「(しまったかなぁ〜)はい、すみません」

9号線に出るところの信号で停車しているところで運転を交代。アベイルって洋服やさんがしまむら系列の若者向けのブランドで良いものが安くあるよ、とかって話を聞きながらアネ様宅へ。

 

ぼ「(またきてしまった。今日はどうなるんだろうか)」

あ「ただいま〜、あ、どんどん入ってください。心配されなくてももう布団もしかれてますし、泊まられることは親も了解済みですよ」

「そうですか。なら安心してもいいんかなぁ」

二階へ上がりアネ様の部屋に入る前に、アネ様がお母様の部屋へ行かれる。

アネ「今帰ったよ〜」

様「こんな時間までなにしちょ〜かね(怒)」

現在の時刻1時、だったかな。

アネ「クリスマスイブだからいいじゃない」

「良くないわね、こんな時間まで(激怒)」

ぼ「(うわ〜、メッチャ怒られているよ〜、まずいなぁ。ついでに内定取り消しかなぁ)」

アネ「ふぅ〜、さっ、私の部屋へ行きましょ、ってちょっと待ってくださいね」

この一人になっているときにお母様に出会ったら、すっごく気まずいだろうなぁ、くわばらくわばら。

「入っていいですよぉ〜」

「おじゃましま〜す。ぷは〜、めっちゃ怒られてましたね。大丈夫ですかね」(←根っからの小心者)

「大丈夫ですって、なに飲まれます?」

「とりあえず水で」

「はい。あ、そうそう、寝巻きあるんで着替えましょうか。私普段家にいる時は見れないようなカッコしてますよ。それじゃあ私別の部屋で着替えますんで、着替えといて下さいね」

「はい」

着替える。しまった、のぞきに行くの忘れてた。今頃気づくなんて、酔ってたな。

 

アネ様入室