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うちの、ワイフが、言うのさ ごいっしょに! うちの、ワイフが、言うのさ 喉も切れろとばかりに! うちの!ワイフが!言うのさ!!! By ぽけっとタマちゃん
時間がおしているので、トイレから出てさっさと支払いを済ます。
アネ様は席にコートなどを取りに行かれる。
ぼ「支払い終わりましたよ。出ましょ」
あ「さっき見てたんですけど、なんで支払ってんの?って不思議でした。なんで?」
「さあ?さっさと家に向かった方がいっかなぁって思いまして」
ということで食の杜発。
家着。
ぼ「うわ〜、ちょっと緊張してきた。うまくいきますように」
玄関から入る(あたりまえだ!)。
「ただいま〜」
「こんばんは〜」
って言うと、ズボンを半分下げたような感じでふすまを開けて、祖母登場。
そ「おかえり、(そちらの美人の女性は)誰かいね?」
あ「始めまして、○○といいます」
ぼ「彼女だよ」
そ「ふ〜ん」
と言ったっきり部屋の奥へ入っていく。どうも部屋のポータブルトイレで用を足している途中だったみたいで、食いつきが悪かった。企画失敗か?
ぼ「どうしますかね。とりあえず上がります?」
「うい」
ってことで、居間に入っていき、エアコン、コタツに電気を入れたところで
ぼ「ところで僕の部屋見てみられます?きったないけど」
「あ、みます」
「パンツ落ちてませんけど」
「ちぃっ」
「へっ?」
「あ、リアクション間違えました」
とか言いながらなわけなく、大人の階段じゃなく、ねぐらへの階段上る。
「こんな感じです」
「へぇ〜」
「こっちに川本さんポスター、こっちは足立美術館のポスターです」
「はいはい、って感じですね」
「すっげい散らかってるっしょ」
「ですね。私の部屋の散らかりブリがかすむくらいですね」
この部屋を見られた時、アネ様がなにを感じ取られたのかさだかではない。言い伝えによると、酔ってて覚えていないとのことらしい。額に入っていた、
「至誠天に通ず」
っていう座右の銘も覚えていらっしゃらないようで。ついでに本の部屋も見られると面白かったのでは思うけれど、寒いしやめとく。
「と言うわけでした」
「ちなみにお母様の部屋はどこですか?」
「となりのこっちです」
と、障子を開ける。母は布団で横になって、部屋を暗くしていて、テレビを見ていた。
「帰りました」
「こんばんは〜、おじゃましてま〜す」
「あらあら、(そちらのかわいらしい女性は)誰かいね?」
「おじゃましてます。来年から藤原さんに馬車馬のごとく働いていただくことになっている、鉄工所のものです」
「そげかね。まあまあこちらこそよろしく」
と、暗闇の中であいさつをしてさっさと階段を下りて行き、居間に戻る。
ぼ「企画は失敗だったけど、ちょっとゆっくりしてから出かけますか」
「はい」
「そうそう、川本さんのDVD見ましょうね」
藤原家に入った時、必ず川本のDVDを見ることになるのは友人間では有名である。友人はほとんどいないが。
あ「BGMとしてなら」
「はいは〜い」
二階の自分の部屋に戻り、DVDデッキを抱えて居間に行き、セッティングをしていると、母がお茶を持って入ってきた。うん?どっかでみたような光景、デジャヴ?お茶だけ持ってきて自分の部屋に戻ると思いきや、のうのうとコタツに入り込む。
ぼ「へっ?なんでコタツに入り込んでんの?」
は「いいがね、ちょっとくらい話したって、ね」
あ「そうですね、ははは」
こういう、二人で家にて話すような状況になった時に、間に入って来られるのはアネ様のお母様の専売特許かと思ってましたけど、違うようで。ぼくの母もまったく同じことしているし。とほほ。
そこからはマイマザーが舞いマザーになったかのように、一人でうかれて話す。
「年は?」
「家族構成は?何番目?」
「お母さんの年齢は?」
「お父さんの年齢は?」
などなど質問をしまくる。あまつさえ
「これだれ?川本真琴?ふん」
などと川本さんのDVD映像にまで鼻を突っ込む。おとなしくしとけ!ていうか、こういう状況だと、話すのって母親がメインになるね。アネ様の部屋ででもあちらのお母様がしゃべってましたし。親がいると、気ぃつかって話せんのか、親がしゃべるから話せんのか、今後の研究課題にいたします。
「くすくす(チュニジア料理でない)」
と、思わず思い出し笑いをしてしまう。
「なにニヤけてんですか?」
「いやね、母上、新宿区ってあるのご存知ですか?」
「知ってますよ」
「でしょ?この子に新宿区に住んでました、って言ったら、そんな区ないでしょ?って言われたんですよ」
「だってフジハラさんがしゃべることって全部嘘みたいですもん」
「(笑)思い通りのイメージを持っていただけてますね」