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♪ね、神様ちゅちゅちゅ、おしりをぉ〜〜、ぼよ〜〜んて爆撃にしたぁ〜い、イエイ、私ないちゃうくらぁ〜い♪ 10分前 by  川本真琴

 

もじゃもじゃを脱いで椅子にかけておく。

「なんでスーツなんですか?てっきりジーパンだとばっかり思ってました」

「ジーパンだとドレスコードに引っかかるかと思って」

お品書きを見たりしながら餌の到着を待つ。その前に飲み物を聞かれた。どれが良いのかさっぱりわからないので聞く。

あ「おすすめはどれですか?」

て「そうですね、甘いのがいいのか、辛い(辛いと書くと、ツライって読めてしまいますね、って何があった自分!)のがいいのか、赤か白かというのがありますが、いかがですか?」

あ「私、ドンペリはピンク、ワインは赤しか飲んだことないんで」

ぼ「そうっすか、で、赤なの?」

あ「白も飲んでみたいかなって」

ぼ「辛いのと甘いのでは?」

あ「辛いのですね」

て「それではシャルドネ2004の白ですね。ボトルでよろしいですね」

ぼ「あーい」

店員さんは踵を返し引っ込んで行こうとされる。その後ろ髪をむんずと引っつかみアネ様質問。

あ「シャンパンは置いてないんですかね?」

て「ないですねぇ」

ぼ「ざんねん!」

あ「クリスマスにはシャンパンやドンペリを飲まないと始まらないんですけどね」

ぼ「ちなみに禁煙ですよね」

て「ですね」

あ「ちぃっ!」

て「ひぃっ!」

 

て「食前酒のゆずのリキュ〜〜ルでございます」

ぼ「あ、ゆずだ」

「そういえばフジハラさんからもらった柚子」

「ひょっとして食べられたんですか?」

「ました」

「あれって大味でしょう?おいしくなかったんじゃなくって?あれって飾っておくもんですよ、まあ食べれますけど」

「そうなんですよ。あまりおいしくなかったですね。やっぱフジハラさんプレゼンツ、だなって」

「プレゼントですから。あ、結構おいしいですよ、このゆず酒」

「あっまぁ〜〜い。私甘いのだめなんですよ」

と、一口飲んだだけで外へはずされる。

とか言っていると一品目の料理が運ばれてくる。

アミューズ『木の子のフラン 舞茸の天ぷら』(舞茸のテンプラついてなかったよ!でも次の日に舞茸のテンプラのそば食べたからいっか。お茶に虫も入ってたし)

こりもせず店員をひっ捕まえる。

ぼ「あのですね、今夜暇?ぐがっ!!」テーブル下で、スリッパのさきっちょを上手く使ったすねへの打撃を浴びせられる。

ぼ「じゃなくてですね、フランってなんですか?」

て「洋風の茶碗蒸し、ですね」

「そうなんですか、ありがとうございます。てっきりフランスの通貨かと思いました。ユーロになったんじゃなかったっけ?って一瞬困惑しましたよ」

あ「むすっ!」

といったところで戸を切り直して、茶碗蒸しで乾杯!

あ「なにしてんだろ、私たち…」

ぼ「僕とこういう場所に来たのが運の尽きですね」

銀器を見るにスプーンは2人に対して2本しかない。このあとデザートがあることからしてこれは今使うべきではないな、という浅はかな考えの末、箸で茶碗蒸しを食べ始める。

「箸で茶碗蒸し食べるんですか?」

「あれ?違うっけ?」

「普段もそうなんですか?」

「そうですね。いっつも箸ですけど。あ、食べにくいですね。いっつもどうしているんだろう?あ、口につけてかっ込んでんだ。こんな感じで」

がーってかき込む。

「なんて食べ方を…」

「こうやって食べるために取っ手もついてるじゃん?」

「シャラップ!」

「あがっ!」

お母様、僕のすねは折れることなく今晩を乗り切れるのでしょうか?

 

冷たい仕打ち、じゃなかった、冷たいオードブルへ