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隣が母親の寝室なだけにしばらく小声で話していたりしましたが、しばらくするとたがが外れてくる。

アネ「寒いね」

「そうっすね。ウチは寒いでしょ。遊びに来た人ってよく風邪ひいて帰っていくんですよ」

「そうですか。じゃあ風邪ひかないようにだっこして下さい」

「へ?だっこって?」

「こうやって…」

と、ぼくがアネ様を抱きしめるかっこに。それから後ろから抱くかっこや、頭をあごと腕で固めるかっこ、向かい合って抱きしめ合うかっこなど、様々な体位(?)を試してみる。で、結局また離れて眠る。

 

しばらく寝て朝になり、アネ様が起きているみたいなので話しかけてみる。

「どう?寒い?」

「寒いです」

どうしたもんかなぁ〜って考えたけれど、

「それじゃあ抱きましょうか?」

って発言をする。

「うん」

って返事を聞き、また、ぎこちな〜く抱きしめる。この時、「ああ、幸せだな」って感じに満たされました。それで、フフッて、思わず笑ってしまったんですが、体が密着している状態なので、すぐにアネ様に伝わって、

「なにがおかしいんですか?」

「いえ、なんでもないです」

気づかれずに、くすっと笑うことができないっていうのもつらいっすね。

この時のことを後日歌にする。

 

キミの香の

残る布団で

今度また

一緒に眠る、

夢みて眠る

 

時が経(た)ち

キミの香りは

弱れども

逆に強まる

キミへの想い

 

キミを抱き

眠った夜の

思い出を

胸に抱きつつ

一人で眠る

 

この後9時くらいまでだらだら過ごす。一回アネ様を家に送ってから、風呂に入ったりなんかしてから、またどこかへ出かけよっかってことで、とりあえず家に送り届ける。

が、寒さのためか腹痛をおこされたようなので、出かける話はお流れ、残念。捨て台詞を一つ、

僕「外側からだけでなく、内側からも暖めれば良かったね」

 

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“憂鬱な水曜日を楽しく過ごそう企画”として、どっかに2人で飲みにいくことに。してたんですけど、仕事中の会話で専務も一緒に行くことに。いやん。専務はあとから参加するらしいので、それまでに大事な話をすることに。大事な話っつっても祖母の誕生日の打ち合わせなんじゃないでしょうか。

で、実際に2人で話した話は、僕の好きな女性のタイプ、この店の店員はかわいいかどうかについて、ねぎのなかに入っていた虫は食べるべきかどうかについて、僕が好きになる女性の傾向、などなど。で、一番印象に残っているのは、

「フジハラさんと一緒に働くようになって少しは、ほんのすこ〜〜しは楽になりましたよ」

「そいつはなにより」

「で、いっしょに遊びに行ったり、話したりして、島根に帰ってきて初めて楽しいと思えました」

「へぇ〜」

「それで、私にとって、フジハラさんは大事な人だなって思いましたっ、きゃは」

「うふ、そうなんだ。あんまりそんなふうに言われたことないんで、どう対応してよいのか分からんけど、ありがとう」

「どういたしまして」

「逆立ちして考えてみると、ひょっとするとこれって告白?みたいな気がするんですけど、どうなん?」

「ちげえよ!」

お母様が来られてから、アネ様についていろいろ話す。で、家へ。なんか泊まることに。風呂をいただいて、あてがわれた部屋に入ると、部屋が暗くなっていて、布団が盛り上がっていた。よく見ると、案の定アネ様が寝ていた。ので、布団に入り込み、話しかける。

「どうしたん?布団間違ってねえ?」

「わかりましたよ!出て行けばいいんでしょ!!」

「すいません。待って下さい。いっしょに寝ましょ」

「下、おばあちゃんの部屋なんで静かにね」

「あーい」

「じゃあだっこして」

「いいけど高いよ」

とかと話しているとイビキが…。どうやらたくさん飲まれすぎたようで、熟睡モードへ。特に話をするでもなく、幸福感を感じつつ眠りにつく。

次の日、

ぼ「非常に言いにくいんですが…」

「なんですか?」

「言いにくいんで紙に書きましたので読んでください」

“鼾かかれてましたよ”

「へ?なんて読むんですか?」

「イビキです」

「えっ?マジですか…。ヘコむわぁ〜」

「すみません。言わんけりゃ良かったね」

「あ、あれ違うんですよ。わからなかったかもしれませんが、竹仲絵里さんの新曲の鼻歌なんで」

「そうでしたか。すみませんでした」

 

てなわけで、次のイベント、マイグランドマザーの誕生日