口裏あわせ

 

まいどお運びくださいましてありがとうございます。

しかしこの、世の女性の方々ってものは化粧品や服ってものにたいそうお金をかけるもんですな。某鉄工所のお嬢様もそうだし、先週まで二股かけて付き合っていた女性は両方ともそんな感じでしたな、ええ。

 

さて、今日は「口裏あわせ」という一席でご機嫌をうかがおうというところで。現実をもとにしたフィクションです。落語には与太郎っていう少し抜けたところのある人間が出てくるものですが、この話では抜けてないように見えなくもないけど筒抜けの男が主役です。

 

(バンバン)時は917日の昼前のことなりて、ところは出雲のタイヤ館。1時の約束で社長令嬢宅に伺う前に、一人でETCを買いに寄りまして、

「あー、こんちわ」

「よう、まいど」

「前言っていたようにETC買いに来たんだけど」

「一番安いやつでいいんだっけ?」

「もち。」

「となると製品が9800円で、セットアップ費3000円、工賃が5000円のところを友達価格で工賃は6000円でいいよ」

「まじで?ありがとう、って高くなっとるじゃん!!」

という商談の後に、がやがやといらんことを話していますってぇと、時の経つのは早いもので、1時をまわってしまったわけで、一回家に帰っておめかしして約束の地に向かおうっていう予定がくるったわけで。

「おおっと、この後用事があるから失礼するよ」

「あいよ。じゃあまた製品来たら連絡するけん」

「おう。仕事終わった後に取り付けてもらいにくるからよろしゅう」

 

「いや〜、持つべきものは友達とはよく言ったもんだね。あいつが老人ホームに入ることになったらたっぷりサービスしてやろう。」

なんて、えらい気の長い恩返しもあったもので。

 

タイヤ館を出まして、社長令嬢宅に着きまして、携帯をかけますがおでになりませなんで、

「なにいわれるかわからんし、なるべく入りたくないんだけどなぁ〜、時間が時間だしなぁ」

ってことで家の中に入っていきまして、

「こんにちは〜、こんにちはー、留守ですか?家財道具一式持って帰りますよ〜」

とかと言っていると社長夫人、専務が

「ああ、藤原君かね。ごめんよ〜。今用意しとるけんね。今日はどこに行くの?」

「へぇ、加茂の方へ少々。(まさか落語を聴きにとまではいえませんやね)」

「なにぶつぶつ言ってんの?それで、あの車で来たの?」

「ええ、あの車で来ちゃいました。」

「中古は古ていけんわぁ。私のもがたがきとっていけんにぃ」

「左様でございますか」

などと話をしていますってぇと社長令嬢のおな〜り〜となるわけで

「あら、今日の相手はあなただったかしら?男がいっぱいいすぎて今日来るのがだれだったかわからなかったわ」

「へぇ、今日はこの藤原が精一杯努めさせていただきます」

ってなことで家をでまして一路加茂のラメールへ。

 

「きゅきゅきゅきゅきゅ〜。きゅきゅきゅきゅ、ぶるぅ〜ん」

今日も快調にエンジンがかかりましたな。

少し進むとさっそく姉さんはタバコを吸われ始める。

灰皿を出されるとそこには口紅のついた吸殻が一本ありまして。

「ちょっと、これなんですか?」(お嬢様ってキャラクターでやっていくのが疲れたため通常に戻す)

「なにって、タバコの吸殻なんじゃない?」

「口紅ついてますけど。藤原さんのお母さんって吸われないんですよね。」

「すいません」

「そのネタはもういいですけど。」

「さあ、誰だったかなぁ?」

「誰だったかなぁ、ですって?藤原さんの車でしょう?あ、誰か私じゃない女性が乗って吸ったんですか?」

「ふふん、ふふん。あ、一番星だ!」

 

とかって会話をしながら1時50分ごろラメールに着く。この吸殻は前日に自分で口紅を塗って、思わず鏡にキスをしながらも作成したもの。田代まさし並に小道具で勝負をしようと考えちょります。今度は盗撮だぁ〜!

 

落語を聴くも、あとの時間がおしているので2つ話を聞いたところで今度は島根町の加賀の潜戸へ。国道とか通らずに山の中をひた走る。

 

途中で、

「藤原さん、新しい職場で彼女できそうですか?」

「うーん。専務にも「彼女つくらな」って言われたけどそんなんそうそうできませんから。超内気ボーイだし。」

「内気な感じだけど、口もかなり上手いですから!そんなんで私は騙されませんょ〜だっ(*`θ´*) でも以外と藤原流話術で引っ掛かると思いますよっ!試してみてはどうですか!?」

「けどさ、僕って40歳以上の人にはハンサムだの2枚目だのと言われるけど、同世代の人には全くいわれませんけど、どうしたものでしょうかねぇ?」

「美的感覚は人それぞれですからね。いいんじゃない」

「そうなんでしょうけど。はぁ〜、来世に期待するしかないですかねぇ?」

「けど、藤原さんって顔がハッキリしていていいと思います、って言えなくもない、っていっても過言ではないような気がする、という考えの立場を取るところのものであるというふうに、こうご理解いただきたいような気がしないでもないと、まあ、簡潔ではありますがはっきりと断言いたします。」

「まじでぇ!?今度天ぷらで一杯いこか?おごるわ」

見たいな会話をしつつ、道のりをこなす。

 

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