〜回想始まり
泊まりに来られる日の昼休みの終わりかけに母からTELがある。
「帰ってみたら祖母の様子が変だったので、病院に入院させることになりそう。そんなわけだから、泊るっていう話はやめだけんね。」
とのこと。至急アネ様にメール。
「今日の泊まり中止になりました(泣)」
「なんで?」
「今は親の意向で、としか言えません」
「分かりました(T_T)」
この時、というか、この日の仕事中には祖母がどうのこうのということは言えませんでした。どういう訳で中止になったかは7時ごろに連絡するって言って、仕事終わったら速攻で病院へ。
祖母の状態はあまり芳しくない。見ていると涙がこぼれそうに。昨日までとの落差が。
電話でアネ様に伝える。
「…と言うわけだったの。マイッタマイッタ」
「そりゃ参るでしょう」
「いや、ホントにまいったわけじゃなく、いや、ホントか。今晩僕病院に泊まりなの。でさ、親に聞いたら、家に泊まったり、広島に遊びに出かけるのはだめだけど、家に遊びに来る分には良いって言ってたんで、明日昼過ぎに家に来てくれますか?それとも今の低いテンションの僕とは会いたくないですか?」
「そりゃ会いたいけど、いいの?」
「親が良いって言ってんだから良いんじゃない?んじゃ、またメールででも」
以下メール。
「あなたがその状況で会って楽しいんだったら明日行きますよ?
でももし私が同じ状況だったらあなたは会うのかなって…」
「会って楽しいのかどうか(そちらを含め)、そちら様が同じ状況の時、僕が会うのかどうかわかりません(想像力がなくてすみません)が、
会いたいです。
わがままでしょうけど」
「じゃあ行きます。明日起きられたら連絡くださいね。フジハラさんも体壊さないでね。じゃあまた」
「あ〜い」
というわけで、アネ様の家ではなく、病院に泊まり、グッスリと眠った後(あ、深夜にコンタクトつけっぱなしのための目の痛みで目が覚めたわ)、家に帰り、卵スープにラーメンを入れて朝食とし、湯村温泉に湯に浸かりに行って、コタツで寝ていると、物音が。すわ、どろぼうかと思って出てみると、コンタクトをはずしていたのと、寝起きだったからハッキリとは分からなかったけど、アネ様らしき人がいた。
アネ様らしきひと「来ましたよ〜」
僕の様なもの「いらっさい。まあ上がって。なんか飲む?」
「はい」
客間のコタツで僕カモミールティー、アネ様そば茶を飲みながら話す。
「大変でしたね」
「だね」
「昨日昼からものすごいテンション低かったので、どうしたのかと思いました。そういうことなら言ってくれれば良かったのに。専務も「普段いらんことばっかしゃべっとーくせに、そういう大事なことは言わんけん」と言ってましたよ。で、これお見舞いです」
「ありゃりゃ、すみません。ありがたく僕が着服させていただきます」
「なんで言われなかったんですか?」
「うん。状態が良く分かっていないのに、心配させることなことは言えんなって思いまして、なにも言いませんでした」
「ちゃんと寝られました?」
「看護婦さんが呆れられるくらいに寝ました」
「でも顔が疲れてますよ。お昼寝しましょうよ」
「そうしましょうか」
「ね、ギュッてして」
ということで、コタツで抱き合って眠る。と見せかけてやっぱ落ち着かないから、二階の自分の布団で寝ることに。なんやかんやした後で向かい合って抱き合いながら、
ぼく「今日さぁ」
アネ「なに?」
「今日さぁ〜」
「だから何?」
「ぐぅ〜」
「寝たふりすんな」
「少し恥ずかしい気がするので言いにくいんですが」
「はいどうぞ」
「今日ね、アネ様が来て話していたら、僕泣くだろうなって思っていたんですよ」
「どうしてですか?」
「アネ様が楽しみにされていた、また僕も楽しみにしていたお泊りが中止になって悪かったなあっていうのとか、祖母の心配とか…」
というところで少し泣き始める。
「泣いているんですか?」
「うん」
いろいろなことで情緒不安定になっていたのでしょう。
アネ「よしよし」
強く抱きしめながら、
僕「こんな時に来てくれてありがとう」
って、言ったら、またさらに強く泣いてしまい、しばらく涙が止まらなかった。
「だけど何もしてあげれないよ」
「いいんです。こうやって来にくい時にくれたじゃないですか。こうやってそばにいてくれるだけで十分です」
と言ったらまた涙と鼻水が。
で、泣き止んでから
僕「ありがとう」
って、また抱きしめ、体を離し、鼻水をかんだり涙を拭いたりする。
ぼく「僕のメイク落ちてませんかね?」
「大丈夫です」