商店街の奥まったとこにこぎれいな、居酒屋とか書いてある店ハケーン
ぼく「あっ、ここになんか店があるみたいですが、どうですか?」
「よさそうですね。入ってみますか」
「なによりすいていそうなのがいいですね」

がらがら
拙者「たのもー」
「(バシっ)」
「えーと2人おねがいしたいんですが、よろしいんでしょうか?」

ってなわけで座敷に上がってメニューを見る。
姉御「っんだよこの店、枝豆がねえじゃねぇか」
「姉御、抑えて抑えて。裏メニューであるかもよ。お通しで出されるかもしれないですし。」
アネ「そうですかね」
「もしくはまさか枝豆を頼むとは店も思ってなくて、メニューに載せてないのかもしれませんし。まあ聞いてみましょう」

飲み物の注文は、姉*姉さまは生中、僕は日本酒の七冠馬をコップ一杯。



酒はマスに入ったコップになみなみと注がれて出てきた。
ワイ「こういう感じで出てくるのはマンガとかでしかみたことなかったっす」
「私もテレビとかでしかないです」
「こういうのってだいたいコップからこぼれるくらい注ぐはずなんだけど、マスは乾いてますよ、ほら」
「ホントだ」

てなわけで
姉「おつかれさまです」
「おつかれーっす、つっても今日休みなんでゼンゼン疲れてないっすけど」
「…、ところで藤原さんって普段お酒飲まれるんですか?」
「いやー、普段飲まないですね。飲むなら自分で作った高麗ニンジン酒を飲んだり、日本酒、ワイン、焼酎をちょびっとだけ飲むだけっすね。いろんな種類を挙げてしまいましたが頻度は多くないっす」
「ふ〜ん。なんであまり飲まれないんですか?」
「僕ってなんかお酒飲んでもあまり変らないみたいなんですよ。なもんで、あまり飲んでも周りを笑わすこともできないし、お酒自体あまり好きじゃないんです。味的なものもだし、意識が少しぼや〜ってするじゃないですか、アルコールで大脳新皮質が麻痺するって言うか、それがいやなんです、なんかもったいないみたいな。もともと普通の人よりも朦朧とした意識のなかで生きてんのに、輪をかけて朦朧としてもね。」(実際にはここまで一方的に語ってないんでご安心を)

「そうそう、マンガって読まれますか?」
「エヴァンゲリオンとかマニアックなマンガは読まなくて、普通のマンガなら読みますよ」
「ん?エヴァンゲリオンってマニアックなの?」
「=マニアックって感じですけどね。」
「ふーん、結構はやった気がしますけどね」
「私が読むのはバッドボーイズとかグレアとか、莫逆家族とかですね」
舎弟「さすが姉御、ケンカ物ですね」
姉御「当然よ」


そのうちオーダーを取りに来られたので、湯豆腐、刺身盛り合わせを頼み、枝豆の有無を確認すると、あるようなので、頼む。まじで枝豆は裏メニューだった。

料理が運ばれてくる
私「しかしホントに枝豆とビールなんですね」
「そうですよ」
「それはやはり、日本のオヤジの夏の夕涼みって感じのステレオタイプの情景から憧れて、ですか?」
「あれー、知らないんですか?枝豆は肝臓に良くて、ビールとの組み合わせはばっちりなんですよ」
「へぇ〜、知りませんでした。よくある組み合わせだから食べてるわけじゃないんですね。」
「おうよ。健康に良いって知ってから一緒に食べ始めたんだぜお。友達の中では健康王として有名じゃけぇのぉ」(さらに姉*姉さんの人格が収拾がつかなくなってきた)