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まったく知らない道を通って松江に入って山道をくねくね通って、隣の野郎が前勤めていた職場や住んでいた家の前を通り過ぎて峠に入っていく。ここまでの道でも車1台分しか通れない道なのにこれから行く道と比べると、かなりましらしい。
「ところで、短気ですか?」
いきなりこの質問をされる。前にも答えたと思うけど、理解できなかったみたいなので、具体例を挙げて、懇々と教え諭す。
「短気ですよ。行列のできる店とかで並ぶ気になりませんから。どこでもたべれればいいじゃんみたいな」
と答えると、
「ぎくっ」
っと、やばいなぁって顔をしながら
「そうですか、僕も並ぶ気はしないですね。食べ物にあまり執着ありませんし。」
だとさ、結局何が聞きたかったのかわからん。
「話は変わりますが、今日迎えに行く前にタイヤ館であるものを買ったんですけど、その時にですねぇ〜」
「え、なに買ったんですか?」
「ETCですけど。」
「(はっ、この車にETCって、あんたってバカぁ?)そうなんですか。私も欲しいんですけど。」
「ETCって取り付けのときにいろいろ工賃がかかるけど、友達割引ってことで5000円かかる工賃がZZZZZ円になりましたよ」
「へぇ〜、いいですねぇ〜。でもとりあえずオートバックス行ってみてからですね」
「そ〜ですね(いいとものノリらしい)。」
とか言っていると峠を越えて、車は舗装されていなくて、石がむき出しで、草木のために道が全く見えない、悪路というか、道といえるのかこれは?みたいなところに入る。ここを行くのか?
「ちょっ、ちょっ、ちょ、ここ行くんですか?」
「あ、止めますか?」
「ええっと、(どうでも)いいです。」
「あ、いいですか。なら行きます。(ガタガタ)でね、さっきの話の続きで、タイヤ館でETC買ったんですけど(ガタガタ)、ついでに車高を落とすのを(ガタガタ)買わんかって言われたんだけど(ガタガタ)、落としたらこんな道走れんよね。あはは(ガタガタ)はは
(((゚Д゚;))) 」
「(落とさんでも走れた道じゃねぇっての!!(ガタガタ)(怒))
(((゚Д゚;メ))) 」
「ここからはちょっとアドベンチャーツアーって感じだね」
20分くらいガタガタしたら、
「この道をずっと走っていて(ガタガタ)、舗装された道に出るとすっごい感動するよ」
「へぇ〜、そうなん(ガタガタ)ですか。」
とか言っていると普通の道にでる。
「ほら、すっごい快適でしょ?」
「ホントですね。運転してるとよりわかると思いますけど。」
「かもね。なんつうか、今まで木の車輪に鉄のわっかをつけた車輪をつけた車からゴムタイヤに変わったときってこれくらい感動したんじゃないかってくらい感動だよね」
「ですね。楽しかったです。サバイバルツアー。」
藤原さんはアドベンチャーツアーっていってたけど、生きるか死ぬかのサバイバルだったわ。
…、でもたまにはこういうのもいいかもしれない。二度目はごめんこうむりたいけどね。