口裏あわせ4
ということで、その後こまかいところまでつめたところで電話を終わりまして一人になったところで、よせばいいのにこの男、くだらんことをまた思いついたようで、
「せやせや、姉さんと口裏合わせをして、タイヤ館の友達をだまそうとしたけど、タイヤ館の友達と話をして、姉さんを逆にだますってのは面白いだろうなぁ〜」
思い立ったが吉日ってんで、この男、普段はのっそりしてますが、こういうときだけ行動が早い。
「もしもーし。藤原笑店ですがぁ」
「まいど、どうしたん?」
「今度連れて行く女性についての話なんだけど」
「あ〜、彼女ね」
「そうそのことなんだけど、そういうんじゃないわけ」
「やっぱ?」
「やっぱってなによ」
「もてないお前に彼女が出来るわけがないと、かねがねオレは主張していたじゃないか」
「どうでもいいけどいやなこと主張するね。でね、それにもかかわらず彼女のフリをして君をだましてもらうように頼んだんだけど、それの裏をかいて僕ら2人で反対にだますってのはどうだい?」
「ほうほう、具体的にはどうすんの」
「君のそのいやらしいパーソナリティーを見込んでいうんだけど」
「へんなこと見込まれてるみたいだな」
「うん、君が「彼女だったら手ぇつないでみな」「腕組んでみな」とかね、姉さんが困るようなこと言って、姉さんが困るところをみて楽しむ、ってのはおもしろくねぇかい?」
「なんか、小学生レベルのような気がするけど、いいよ。じゃあ料金は普通のもらうよん」
「そうなの?」
「あたりめぇじゃん。彼女じゃなくて友達ならもらうよ」
「ちっ、くだらんこといわんけりゃよかった」
ということでタイヤ館にいく日になり、タイヤ館に2人いく。道中軽い打ち合わせをする。
「(ふっふっふ。逆にだまされるとも知らないでのん気にやっていらっしゃる)」
「どうしたんですか?変な顔がいつもより変になってますけど」
「ええ、今日は特別出血大サービスで変な顔にしていまして、えへへへっ」
「キモッ!」
で、いよいよ店に入っていく。
「ちわーす」
「へいらっしゃい。よっ、ご両人、お待ちしてましたよ」
「なんだいそのノリは、オヤジはいってねえかい?」
「まあいいってことよ。んじゃあ、購入するのはこれでいいですね。取り付けにかかる金額はこれこれになります。あとETCカードを作るためにこの紙に記入をお願いします。しかしなんですね、川本さん、ですか、よくこんな男とつきあってますね」
「えっ、失礼な、つきあってなんかいませんよ!(怒)」
「でも時たまどっかにいっしょに遊びに行っているって聞きましたが」
「もてない男に対する慈善事業です」
「(小声)ちょ、ちょっと、そんなこと言ってたら工賃安くなりませんよ」
「そんなんどうでもいいです」
「どうでもいいゆうたかてあんた、せっかく計画して打ち合わせまでしてたのに、ていうか、慈善事業だったんですか?」
「もちろんそうよ」
「あ〜、なんかへこむなぁ(涙)」
「ごめんごめん、まあ気をおとすなやオサ(僕のあだ名ですね)。今のはオレと川本さんの打ち合わせ通りの冗談の会話なんで」
「な〜んだ、冗談か。あ〜、びっくりした。そっちはそっちで口裏あわせしてたんかぁ〜。えっ、でも2人って前から知り合いだったん?」
「もちろんそうよ。彼は私の数多い男のうちの一人なのよ」(またお嬢様的なキャラクターに戻る)
「口裏あわせ」という一席でした。
あとがき
後半疲れて息切れをおこしたのと、時間がなくなったことで盛り上がりに欠ける変な終わり方になってますが、またいずれ書き直すこともあるかもしれません。結局あまり落語になっていない気がしますが、以下に僕がバカなのかだけでもわかられれば、これ幸いかと存じます。それでは、くだらないお話にお付き合いいただきましてありがとうございます。