断わられ電話+α
メルアドをゲットしたぼくは猿のようなアホなメールを送り、日曜日足立美術館、カラオケ、岩盤浴に行くことになりつつあった。(ちなみに電話番号はなぜかまだ教えてもらっていない。「メルアドは教えるけどぉ〜、電話はかけられたくないみたいなぁ〜、そんな関係なのよねぇ〜」と先方が思われているかどうかはさだかではない。)
そう言えば、専務から、こっちで働かないかと急に言われたことに何か裏があるんじゃないかと姉さんに
「なんで専務はぼくなんぞを雇う気になったん?」
と聞いたら
「今の人の仕事が遅いから」
っていう、既にこちらも知っている情報を伝えられ、
「その点藤原さんは仕事が速くって、女性に対しては手が遅いとか!だから藤原さんをゲットハンティングしたんじゃないすか?」(多少意味のない創作あり)と続けられた。で、この「ゲットハンティング」って表現にすごく感動、脱帽しました。感動しながらも念のため実際にそういう言葉があるかどうか、さまざまな人に聞きましたがみんな一様にそんな言葉はないと言われたので、完全に創られた言葉だとの考えを強くして、安心して再び感動しました。普通はヘッドハンティングなんだけど、ヘッドハンティングだと「優秀な社員を他社から引き抜くこと」と言う意味で、僕は優秀じゃないし、他社の人間でもないし、ヘッドでもないし。そこで、ヘッドハンティングの、人を自社に通常の入社試験とかをすることなく入れる、と言う意味を残しつつ、ゲットをつけることによって、ヘッドハンティングの語感を保ち、さらに自社に引き入れる、って意味を強めているという、非常に難易度の高い造語なのではないだろうか?書きながら再び感動しつつも、「おいおい、単なるいい間違いだろ?」ってツッコミが入りそうな気配もしてきました。けど、僕は上記のような、なにかを伝えようとして、ある言葉とある言葉がいっしょになってしまい、新しい言葉ができてしまう、そしてその新しい言葉が元の言葉よりグッと情報量が増えているっていうのが好きなんです。話が脱線しまくって進まないんで、はい、次。
行き先の決定なんですが、姉さんは肩が凝っているからマッサージとか整体とか行きたいと言われましたが、なだめすかして岩盤浴にしました。
集合時間、場所などについて。「日曜午前はダラダラ過ごすのが好きなんで午後から」
で、
「次は私が車出して、運転もしますよ。運転好きですし。迎えに行きますよ。」
と言われた。
あまり深くは考えるところでもないのだろうけど、大抵2回目会うときって車を出しますって言われるんですよね。その次がどうなのかは未だ体験してないんでわかりませんが。
とにかく日曜日会えるってんで、うかれて都都逸をつくる。
幸せすぎて
こわいわなんて
そんなバカなと
我思う
幸せすぎて
こわいわなんて
そんなバカなに
我がなり
で、約束の日の二日前に、
「おばあちゃんの用事をしなくちゃいけないからだめかも」(送信者のイメージが著しく損なわれる可能性があるので一部修正済)
ってメールが来る。
で、土曜日の8時ごろ、午前中大山登った後でぐったりしているところへ電話がかかる。表示は専務から
「もしもし」
「あ、もしもし*ですけど」
「あ、*さんでしたか。こんばんは。どうしたんですか?」
「いや、明日やっぱりだめになったんで、断りの電話です。ほんとすみません」
「ありゃりゃ、ほんとにだめになったんだ。残念。それでおばあさんとなにすんの?」
「えっと買い物行ったりですけど。」
「あら、そう。うーん。おばあさん孝行は大切だからね。」
「はぁ。ところで今日大山登ったんですか?」
「ええ、登りましたよ。2時間半の予定が2時間切る感じでした」
「うそでしょう?」
「いやいや、うそってどういうことなん」
「え、だってマラソンしてでしょ?」
「いやいやいや、どこからマラソンしながら登るって話になったのかさっぱりわかりませんが、普通に大山の登山口付近まで車で行って、登山口から足を交互に動かすことによって前進し、頂上まで到達したんですけど」
「へぇ〜、登山好きなんですか?」
「なぜだかよく質問されますが、うーんどうでしょうか。高いとこが好きなんでしょうか。都会に行ったらとりあえずビルに登りたいと思いますしね」
「はいはい。バカとなんとかは高いところが好きっていいますからね」
「それ、ぼかすとこ間違ってますから。ふつうなんとかと煙はでしょ。まあいいけど」
「(無視)私はちょっと登る気になりませんね。」
「あれ、学生の頃長距離やってらしたんじゃなかったですっけ?」
「あれは小学校のころ選手に選ばれただけで、陸上部とかに入っていたわけじゃないです。」
「へぇ〜、でも選手に選ばれたってことは足速かったんですね。」
「うーん。中学一年の時は学年で4番目、中学二年の時からは五十番目くらいになりましたっけか」
「あっ、ちょうどタバコをはじめられた時と一致しそうですね」
「そうですね。常に酸素のスプレーをしながら走りたい、っていうか日常生活でも常に酸素を吸入してたいです」
「酸素を吸いながらよりもタバコを吸いながらの方が速く走れたりして、ニコチンパワーとかいって」
「あはははは、機関車みたいにもくもく煙をはきながらですか」
「ですね。ところで、*さんはだんだん足が遅くなっていかれたみたいですが、僕はそれと逆に中一の時は二十番目くらいでしたが、中三くらいになると三番目くらいになりました。なんでだったんだろう」
「なんかその間にあったんですか」
「学校から帰る途中で、意識がふっと途切れた感覚を感じたことがありましたが、あの時宇宙人に改造されたのかもしれませんね。自分では日本語を使っているつもりでも良く人に通じないこともあるし、それが原因かなぁ」
「きっとそうですよ。世界にはそういう人もいるみたいですよ」
「えっ、まさか断言されるとは思いませんでした。うーん」
「ところで、私今年海に行ってないんですよね。」
「はぁ」
「私って夏には必ず海に行かないと夏って気がしないんですよ。」
「もう終わりそうですけどね。盆を過ぎているから、いまならくらげだらけっぽいですね」
「まあそうなんですけど」
「ほんじゃあ来週どっか海に行きますか?」
「はい。」
「何処がいっかな。」
(ネットで検索する)
「○×海水浴場なんてどうなん?」
「うーん」
「×○海水浴場は?」
「私泳げないんで特に海水浴場じゃなくていいです。」
「ほう。僕も泳げないっす」
「あっ、私は一応平泳ぎは出来るんですけど」
「それは泳げないとは言わないんじゃない」
「2メートルだけなんですけどね」
「それは平泳ぎが出来るっていわないんじゃない?」
「だまれっ!」
「はい。じゃあ海水浴場である必要はないと。ではどういう条件を満たしたところへ行きたいんですか?岩場じゃダメなんでしょ。砂浜があれば、メシが3杯いけますか?」
「そうですね。とりあえず浜がないとだめですね」
「じゃあ、鳥取砂丘で」
「あれは砂浜だけじゃないですか。私行ったことないですが」
「あれ、ないんですか。僕はありますよ。つっても通り過ぎただけですが。」
「それって行ったって言わないんじゃないですか?」
「うーんそうかも。でも、あっこも砂浜だけじゃなく海もありますよ。他にはなにがあればいいんですか?」
「ラクダ」
「やっぱ鳥取砂丘でいいんですね」
「うーん、鳥取遠いじゃないですか。どうせ滞在時間一瞬なんでどこでもいいっすよ。」
「へぇ〜、海でなにをする気なんですか?泳げないとなると、温水浴、半身浴みたいな感じで、海水に浸かって海水浴って感じなんですか?」
「半身も入らない感じで、足湯みたいな感じですかね」
「まじでそんだけなんですかぁ。」
「です。そんなわけでどこでもいいです。あっ、キララ多伎はいやです。ナンパする人が多いからうざいんで」
「そうなんですか。僕も友達とナンパしに行った事がありますが、女性はほとんどいませんでしたよ?」
「てめぇみたいなんがいるから女性が近づかんのじゃ、ボケェ!」
「はぁ、ナンパが嫌ならわざと不細工なメイクをしていくとかすればいいんじゃないっすか?」
「ヤマンバとか?」
「そおっすね、またはスッピンとか?」
「あ”ぁぁ?」
「わかりました。まあとりあえず海岸線走っていればどっかいいとこあるっしょ。そんなわけでバイチャ」
この電話のあと、加賀の潜戸って行ってみたかったことを思い出し、メールしつつ、電話番号を聞く。
電話番号を載せたメールが返ってきて、ちょっとしてからかけたら、留守電になってたりして(泣き)
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